📘 豆知識:中国のVPNに関する法的規定(2025年時点)
1. 関連法規
- 🔹《中国サイバーセキュリティ法》(2017年施行)
インターネットの管理とセキュリティ強化を目的とする法律であり、国家の承認を受けていない通信チャネル(≒未認可VPN)の利用は禁止されていると解釈されています。 - 🔹《電信条例》《インターネット情報サービス管理弁法》
国家の認可を得ていない通信サービスの提供は原則禁止。特に**海外との通信(越境通信)**に対しては厳しい規制が敷かれています。 - 🔹 工業情報化部(MIIT)による通知(2017年1月)
「未許可のVPNや専用線の使用は禁止」と明確にされ、VPNの使用は許可制であることが強調されています。
2. 企業・個人への影響
✅ 使用可能なケース(合法)
- MIITの許可を受けた通信事業者が提供するVPNサービスを使用する場合
- 外資系企業が、中国国内の支社と本社を接続するために、事前申請の上で認可された専用線またはVPNを使用する場合
❌ 違法とされるケース
- 個人が未認可のVPNアプリ(例:ExpressVPN、NordVPNなど)を使用して国外と通信する場合
- VPNを商用で無許可に提供する行為
3. 違反時の罰則
- 一般利用者に対しては、数百元から数千元の罰金や警告が科される可能性あり
- 無許可提供事業者に対しては、営業停止・罰金・刑事罰の可能性もあり
4. 実務的なポイント
項目 | 内容 |
---|---|
海外支社との通信 | 専用線または認可VPNによる申請が必要 |
中国国内でのVPN提供 | ライセンスの取得が必須 |
モバイルアプリでのVPN使用 | App Store/Google Playから削除または制限されている可能性あり |
一般ユーザーのVPN利用 | 技術的には可能だが、検出リスクが高まりつつあり、法的リスクを伴う |
📡 NTTコミュニケーションズの国際専用線サービス
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、中国との間における高速・高信頼性な専用線サービスを提供しています。
- 同社の「Arcstar Global Leased Line」は、最大100Gbpsの帯域を持ち、グローバルで展開される法人向けサービスです。
- 中国国内の認可通信事業者(例:China Telecom、China Unicom)と連携して、IP-VPN、e-VLAN、専用線サービスを合法的に提供しています。
- 香港拠点のNTT Com Asiaは、中国本土と香港を結ぶMPLSやIP-VPN回線も提供中です。
✅ NTT Comが中国で合法的にVPNを提供できる理由
- 現地通信事業者との連携
外国企業は単独でVPNサービスを提供できないが、NTT Comは現地認可通信事業者と提携してサービスを合法に展開。 - 法人専用サービス(AUO、Global Leased Line等)
個人向けVPNとは異なり、企業専用の閉域網サービスとして合法運用が可能。 - MIITガイドライン準拠
サービス提供時には、中国工業情報化部(MIIT)の指導や規制に従っていると公表。
⚖ VPN法令と運用の現実:矛盾と現場の対応
1. 法律上の建前
- 《電信条例》《VPN規制通告》等により、企業による越境VPN利用は原則申請義務あり。
2. 実務上の黙認
- 多くの外資系企業は申請を行わずに運用中(例:日本・欧州・米系企業)
- 香港経由のMPLS/IP-VPNは、申請されないケースが大半
- 「黙認または選択的に執行される」のが実態
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株式会社VOIPACKJAPAN(以下、弊社)が提供する国際専用線サービスは、国内大手N社が提供する合法な国際専用線および閉域網を基盤とし、弊社独自の技術的付加価値を加えて、日本国内において法人向けに提供するものです。
本サービスは、お客様と日本国内で契約を締結し、日本円で決済されています。
そのため、中国国内で本サービスをご利用される場合は、現地の法令および規制への適合については、お客様ご自身の責任においてご確認・対応いただく必要があります。
なお、弊社は、お客様による中国国内での通信利用に起因して発生したいかなる法的責任または損害についても、一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承願います。